民主党の勝利を断言できない4つの理由

 筆者も、アメリカから情報を集め、アメリカを代表する選挙分析機関、クック・ポリティカル・リポートなどで各州の情勢を分析してはいるが、民主党が勝つと断言できない理由が、(1)共和党の資金力、(2)ゲリマンダー(区割り変更)の影響、(3)トランプ氏による土壇場でのバラマキ効果、そして、(4)民主党の内紛、である。個別に概説しておく。

(1)共和党の資金力
 9月初めから11月3日の投票日までの全米における広告予定額は、共和党が16.3億ドル(約258億円)で、民主党の11.9億ドル(約188億円)を大きく上回っている。共和党が潤沢な広告費を激戦州に集中投下すれば選挙情勢が変わる可能性がある。

(2)ゲリマンダーの影響
 共和・民主両党が下院選で勝つために恣意的に進めてきた選挙区の区割り変更(ゲリマンダー)の中で、トランプ氏が押し進めた南部の主な州の区割り変更により、共和党が議席の目減りを大幅に抑える可能性がある。

(3)トランプ氏による土壇場でのバラマキ効果
 トランプ氏は「共和党が上下両院で過半数を維持すれば成人1人当たり5000ドル(約79万円)を支給すると約束し、オバマケア加入者約100万人に500ドル(約7.9万円)還付、メディケア加入者2000万人には90ドル(約1.4万円)を支給すると約束。これらのトランプ配当が、有権者の投票行動を決める変数になる可能性がある。

(4)民主党の内紛
 対共和党、反トランプで一枚岩になるべき民主党内で、民主党穏健派の生ぬるい主張を批判する急進左派が台頭。トランプ氏ら共和党側に「神を信じない共産主義者、建国以来最も深刻な脅威だ」と付け入る隙を与え、思いのほか無党派層の票が民主党候補に流れない可能性がある。

 ご覧のとおり、(1)から(4)まで「可能性がある」と表現せざるをえないところが、今回の中間選挙の難しいところだ。

注目の激戦州、ミシガンの上院選は互角

 そうは言っても、中間選挙の結果は、2年ごとに全議席が改選される下院に顕著に表れる傾向がある。2018年にも「ブルーウェーブ(民主党の青い波)」が起きたのは下院で、今回も下院選では民主党が大きく議席数を伸ばすのは間違いない。

 情勢分析を難しくしているのは、今回、比較的、共和党が強いとされる州で改選となる上院で「Toss-up=互角」の州が散見されることだ。