その代表格が、大統領選挙で常に激戦州として注目される中西部、「自動車の街、デトロイト」を抱えるミシガン州である。
ここは、民主党で「急進左派の新星」と呼ばれ、富裕層や大企業への増税、そして、イスラエルへの支援停止を訴えるアブドゥル・エルサイード候補(41))と、トランプ氏の盟友、共和党のマイク・ロジャーズ候補(63)の接戦が続いている。
地元の世論調査会社、ミッチェル・リサーチ・アンド・コミュニケーションズの調査(10月1日実施)によれば、若者はエルサイード候補を、中高年層はロジャーズ候補を支持する形で、支持率の差は僅差だ。
2年前、大統領選挙で取材させてもらったデトロイト市民は語る。
「ここはカナダと国境を接しているので、トランプ氏が何度もカナダに課してきた関税の影響で、カナダからの輸入品が値上がりしています。最近では、ロジャーズ候補もトランプ氏と距離を置き、『関税戦争はやめるべき』と言い始めていますし、AIデータセンターの建設にも『電気の使用量が増え料金が上がるだけだ』と反対していて、争点が見えなくなっています」
トランプがテキサスで負けられないワケ
もう1つ、父子で大統領になったブッシュ家の地元で「共和党の牙城」と言われてきた南部、テキサス州も予断を許さない。
民主党の若手、ジェームズ・タラリコ候補(37)が、共和党でMAGA派のケン・パクストン候補(63)に世論調査で僅かにリードを保ち終盤戦を迎えている。
タラリコ候補は、聖書を引用しながら、貧困や医療、移民や教育、マイノリティの保護などをわかりやすい言葉で訴える演説の名手だ。ワシントンの民主党関係者に言わせれば、「ここで勝てば大統領候補の1人に躍り出る」と目される人物だ。
しかし、トランプ氏はパクストン候補を勝たせなければならない。トランプ氏はテキサス州の重要性をよく理解しているからだ。
今回、非改選のテッド・クルーズ上院議員は共和党だが、もう1つの議席をタラリコ候補に奪われるようなことになれば、これまで「レッドステート」と呼ばれてきたテキサス州が、「ブルー」が混じる「パープルステート」になってしまう。







