実に10人に4人以上が、悩みを抱えたときに頼れる相談先がないと感じているのです(下図「直近1年以内の相談経験先」)。この数字は、現代社会が抱える大きな課題を表しています。

図表 直近1年以内の相談経験先
同書より転載 拡大画像表示

 かつては、家族や地域コミュニティ、職場などに自然な相談相手が存在していました。困ったことがあれば近所の人に聞く、職場の先輩に相談する、親族に頼るといったことが当たり前でした。しかし社会の変化とともに、人と人とのつながりは徐々に希薄になっています。単身世帯の増加、転勤や転職の一般化、働き方の多様化、リモートワークの普及などによって、人との接点は以前よりも減少しました。

 SNSによって多くの人とつながっているように見えても、本音を話せる相手がいるかというと、必ずしもそうではありません。むしろ「つながっているのに孤独」という状況が生まれているのです。

話せる相手がいても
相談をためらってしまう心理

 さらに注目すべきなのは、人に相談すること自体に抵抗感を持っている人が49.5%(「抵抗感がある」16%、「やや抵抗感がある」33.5%)と約半数に達していることです(下グラフ)。相談相手がいないだけではなく「いたとしても相談しづらい」と感じている人が非常に多いことが分かります。

図表 他人に相談すること自体についての抵抗感同書より転載 拡大画像表示