日本人が働く時間は
200時間も減っている

 実は、1人当たりGDPを増やすのに簡単で手っ取り早いのは、「働く時間を増やす」ことだ。

 しかし日本は近年、働き方改革などもあり全般的に労働時間は減少傾向にある。下のグラフを見てほしい。労働者の年間労働時間(※)の推移は、2005年の約1800時間から2024年には1600時間強と、約200時間減っている。※詳細はグラフ内に記載

そりゃインドにも抜かれるわ…GDP「6位転落」予測の日本に〈決定的に足りないもの〉資料を基に筆者作成
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 また、企業における「生産性向上」の旗振りが、付加価値を高めるというよりも「労働時間を減らすこと」に重点が置かれるケースが多い。

 労働時間の削減自体は、悪い事ではない。ただし労働時間を削減しながら1人当たりGDPを増やしていくならば、個々人がさらに高い付加価値を生むような働き方、あるいは高い付加価値を生む分野で仕事をしなければならない。「今までと同じ成果を、少ない時間で実現しました!」というだけでは残念ながらダメなのだ。

 働き手が生み出す付加価値を高めるには、個人や企業の努力だけでは限界がある。企業は利益追求も使命だ。利益を増やす方法には、人件費削減などのコストカットも含まれる。各企業がこぞって行えば社会全体としては労働分配が増えず、縮小均衡に陥る。

 要するに、国の戦略で、大きな方向性をもって進まないと実現できない。

 他方で、「そもそもGDPが伸び悩むことって何か問題あるの?」と思う人もいるかもしれない。