譲渡価額は約29億円、ドンキ傘下で再建へ

 民事再生法の適用を申請した10月1日、日本トイザらスは「ドン・キホーテ」などを展開するPPIHとの間で、スポンサー契約を結び、PPIHの関係会社と事業譲渡契約を締結した。今後、裁判所の許可などを経て、10月30日に事業譲渡が実施される予定だ。申立書によると譲渡価額は28億8000万円という。

 負債総額は債権者約1100人に対し、約132億円だった。このうち、100万円以下の少額債権は「取引継続及び従前の取引条件の維持を条件に」期日通りに弁済する。

 また、100万円を超える債権もスポンサーからの事業譲渡代金により、従前の支払いサイトに応じた弁済を目指すと明言した。ただ、こちらも「従前の取引条件の維持」が前提になる 

 仕入れを止められると店舗運営が成り立たない。債権者は売掛金を人質に取られたようなものだが、経営を引き受ける側からすると当然のリスク対応だろう。

 このため、億単位の大口債権を有する玩具メーカーや販社の大半が、10月以降もトイザらス向け出荷を継続している。「本来なら(倒産企業との)取引の可否は社内ルールに従って慎重に検討すべき事項だ。だが、売掛金の回収には取引継続が不可欠で、何よりクリスマス商戦を控えたこのタイミングでのトイザらスとの取引中止は現実的ではなかった」と、大手玩具メーカーの審査担当は複雑な心境を語る。

 一方、スポンサーのPPIHは、IP(人気キャラクターなどのコンテンツ)・キダルト(大人のコレクター)商材など玩具以外の関連商材を強化し、トイザらスを「おもちゃ屋」から「アソビ業態」へと再定義し、既存店の進化を図ると意気込む。他のドンキグループとのシナジー効果にも期待が寄せられている。

 不振にあえいだ日本トイザらスは、民事再生とスポンサーの決定で区切りをつけ、本格的な再建へ舵を切った。激動の流通業界での生き残りは容易ではない。長年培ってきたトイザらスが生んだカルチャーの灯は今後どう変化し、定着していくのか。ドンキの底力と日本進出35年のトイザらスの真価が問われることになる。