赤字・株価低迷なのに高報酬な社外取締役ワーストランキング【実名393人】日産、東電、ホンダの大物社外取が上位独占!Photo:123RF

株主総会を前に、「業績が悪く株価も低迷しているのに高報酬」の社外取締役がいないかどうかチェックしていこう。純損益が赤字、かつPBR(株価純資産倍率)が1倍割れで、株価が「解散価値」すら下回る企業に在籍しながら、高額報酬を受け取っている社外取は誰か。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#6では、赤字・低PBR企業129社に在籍する社外取393人の実名をワーストランキング形式で公開する。ワースト上位には、2期連続の巨額赤字に沈む日産自動車、福島第一原発の廃炉費用が重荷となる東京電力ホールディングス、上場来初の赤字に転落したホンダの社外取がずらりと並んだ。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

不振企業129社393人の実名公開
日産、東電、ホンダの社外取が上位に

 赤字に沈み、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る。つまり、市場が評価する企業価値が、会計上の純資産すら下回っている――。そんな企業の社外取締役が、多額の報酬を得ているとしたら、株主はどう受け止めるだろうか。

 社外取は本来、会社の外から経営を監督する存在である。業績が悪化し、株価が低迷し、事業戦略が迷走しているなら、経営陣に厳しく注文を付け、必要ならトップ交代や構造改革にも踏み込むべき立場だ。

 だが、現実には、赤字・低PBR企業の取締役会にも、著名経営者、外資系企業トップ、金融機関OB、学者、弁護士、公認会計士ら大物社外取が名を連ね、高額報酬を得ている。

 今回、ダイヤモンド編集部は、純損益が赤字、かつPBRが1倍未満の上場企業を抽出した。該当したのは129社。そこに在籍する社外取は、重複を除き393人(延べ395ポスト)に上った。

 顔触れを見ると、今年は日本を代表する有名企業の名前が目立つ。まずは日産自動車である。同社は2026年3月期の最終損益が5330億円の赤字となり、2期連続の最終赤字になった。経営再建に向けて工場削減や人員削減を進めるが、収益回復にはなお時間がかかる。昨年の株主総会では、社外取の留任にも批判の声が上がった。

 東京電力ホールディングス(HD)も上位に入った。26年3月期の当期純損益は4542億円の赤字。福島第一原子力発電所の事故処理に伴う災害特別損失(9138億円)が重荷となった。

 ホンダも見逃せない。26年3月期は電気自動車(EV)関連損失などを計上し、最終損益が4239億円の赤字に転落。上場来初の赤字となった。40年に新車を全てEV・燃料電池車にするという目標も取り下げ、ハイブリッド車を成長の軸に戻すなど、戦略の大転換を迫られている。

 このほか、統合型リゾート(IR)事業で巨額減損を計上したユニバーサルエンターテインメント、12期連続の最終赤字となったジャパンディスプレイ、繊維大手の帝人、パソナグループなどもランキング上位に登場する。

 さらに、ワースト上位者の兼務先には、過去最大の赤字に陥った電通グループ、米国事業の減損で赤字に沈んだ資生堂、子会社で巨額の架空循環取引が発覚したKDDIといった注目企業も含まれる。電通グループは25年12月期に3276億円の最終赤字を計上し、上場以来初の無配となった。KDDIでは、子会社の広告代理店事業で架空取引が発覚。営業利益の計上取り消し499億円、外部への流出額は329億円に上り、グループのガバナンス不全が露呈した。

 今回のランキングでは、当該企業の推計報酬額、兼務社数、兼務先も含めた推計報酬額の合計、PBR、純損益の五つを評価軸として設定した。赤字・低PBR企業の社外取なので、報酬額や兼務社数が多いほど低く配点し、総得点が低い順にワースト順位を付けた。

 それでは次ページで、ワースト上位の顔触れを確認していこう。