これは建設土木の世界に革命をもたらすことになります。高所作業でこれまで足場を組んで、人間が行ってきたすべての作業が、足場がない、ないしは簡易な足場だけがある状態でロボットに取って代わられるようになるのです。
そうなれば関電工の電線工事から、ドコモの基地局建設まで、高所工事の世界に革命がもたらされるかもしれません。
「しかしそうなるためには、技術が普及してコストが大幅に下がる必要がある。当面のところ、テスラに金を払うような買い手はいないのではないか?」
これはすべてのイノベーションの、初期における課題です。あらゆる技術は誕生当初はもの凄く大きなコストがかかるものです。
2013年に公開された世界初の培養肉ハンバーガーは、研究開発費が約3300万円に上ったといいますが、それくらいコストが高い初期の段階では1体10億円もかかる空飛ぶロボットのユーザーになってくれる買い手がいなければ、どんなすぐれた可能性をもつイノベーション技術も発展できないのです。
テスラに巨額投資する
「太っ腹な客」の正体
ではテスラの場合は?
実はこの技術、コストを度外視してもテスラに投資をしたいという太っ腹なスポンサーが存在します。それはアメリカの国防総省です。
国防総省が戦況を一変させる兵器開発につぎ込む予算は数十兆円の規模です。過去でいえばステルス戦闘機の開発でそれくらいの予算がつぎ込まれています。
空飛ぶ車の技術をもし二足歩行ロボットのオプティマスに搭載したとしたら、そこに誕生するのは忍者のようなロボット兵です。建物の屋根をぴょんぴょんと飛びながらターゲットに近づいたり、山岳地帯に潜む敵のアジトを空中から接近して殲滅することが可能になります。
映画でいえば『攻殻機動隊』の冒頭で主人公の草薙素子が高層ビルの屋上からダイブして、中層階の敵を殲滅するシーンがあります。人間なら怖くてとてもできないシーンですが、義体、つまりサイボーグの素子には自分の義体の性能を前提にしたら「できる」攻撃でした。
そのSFアニメの世界が現実になる可能性がある。それをイーロン・マスクがデモンストレーションで世界に示したのだと考えたら?そのことで空飛ぶロボットの忍者部隊が実戦配備される未来がやってくるとしたら?
これは世界中の国防関係者、ないしは警察などの治安関係者にとっては悪夢のゲームチェンジャーです。そしてまずいことに中国政府もすでに同じことに気づいています。だとしたらアメリカは前に進むしかありません。
これから起きることは、テスラに巨額の国防予算が投下されるという新しい現実なのかもしれないのです。つまりテスラ株とスペースX株はどちらも買いかな。でも未来を考えると怖い話ですね。








