新潟県340ヘクタールでコメを作る田中産業。稲作で温室効果ガスの発生を減らしたことを証明してJ-クレジットを創出し、自社で行う運送業からの二酸化炭素排出量と相殺している 写真提供:田中産業
ダイヤモンド編集部の恒例企画「レジェンド農家ベスト22」の2026年版を公開する。担い手農家アンケートに回答してくれた823人からえりすぐった大規模生産者たちだ。その中には売上高が138億円に達している農業法人もある。ほとんどのレジェンド農家は事業規模を拡大しており、新たに売上高「100億円企業」となる計画を立てている法人は五つに上った。長期連載『儲かる農業 JA・豪農・アグリビジネス大激変』内の特集『【農家823人アンケート】農業“大淘汰”時代を生き抜くヒント』の本稿では、日本の食料生産の主役として、また農地の受け皿として急成長する豪農たちの財務データと成長戦略を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文、データ分析 小海敬義)
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米価暴落や生産資材の高騰を物ともせず
M&Aや農業のフランチャイズ化で成長する豪農の実力とは
政府は、売上高「100億円企業」を増やそうと、税制優遇などの経営支援策を打っている。この政策は、地方創生の一環ということもあって、農業法人が地方経済のけん引役となることへの期待は大きい。
ダイヤモンド編集部は例年、担い手農家アンケート(二つ下の図参照)の回答者の中から、経営規模が大きく、収益性と成長性が高い「レジェンド農家」を選定してきた。レジェンド農家の筆頭といえるある農業法人は売上高で138億円を超えており、数年後には、さらに五つの農家が100億円企業の仲間入りを計画していることが分かった。
ただし、農家を取り巻く環境は厳しい。生産資材の価格は上昇し、米価は下図のように乱高下している。
そうした中で、レジェンド農家の2026年版のランキングにおいては、今後、経営の悪化が見込まれるコメのみを生産する大規模法人は少なくなった(レジェンド農家は、財務データを開示してくれた生産者が対象となる)。代わって増えたのは、ほかの農家へのコンサルティングや再生可能エネルギーによる発電といった新規事業を組み合わせて経営を多角化し、安定的な収益構造をつくった生産者だ。
レジェンド農家は、離農する農家から農地を受け継いだり、廃業を検討している農業法人を買収したりして成長を遂げている。総合商社やデベロッパーなど大企業と資本提携を行う動きも本格化しており、さらなる規模拡大や高収益化の準備も整いつつある。
ダイヤモンド編集部が毎年のように、モデル経営として紹介しているグリンリーフ(群馬県)、さかうえ(鹿児島県)、サラダボウル(山梨県)、ねぎびとカンパニー(山形県)、ファロスファーム(大阪府)、果実堂(熊本県)、西部開発農産(岩手県)、田中産業(新潟県)、日本農業(東京都)、舞台ファーム(宮城県)などの利益率はいかほどで、今年は何位に付けているのか。また、100億円企業となる六つの農業法人、レジェンド農家に新たに選定された“新星”がどこかも次ページで明らかにする。









