儲かる農業2025 日本の夜明け#8Photo:d3sign/gettyimages

農家が、生産コストの上昇分を価格転嫁できる“売り先”はどこなのか。特集『儲かる農業2025 日本の夜明け』の#8では、担い手農家アンケートの1400人の回答から、値上げ可能な「儲かる販路」と「儲からない販路」をあぶり出す。近年好調だった産直EC、ポケマル、食べチョクの地位を脅かす新たな販路とは。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

「儲かる販路」に、高支持率JAが多数選出
コメ、野菜高騰で取引額が4~5倍に増えた販路は?

 米価や野菜の高騰などで儲かっている農家がいる一方、廃業や離農を決断する農家も多い。東京商工リサーチの調査によると、農畜産業の倒産は2024年、過去最多となった。

 倒産や離農が多くなる大きな理由の一つが、生産コストの増加分を農畜産物の販売価格に転嫁できないことだ。

 経営が成り立つ販路をいかに確保するかは、農家にとって最も重要な経営課題といっても過言ではない。

 そこで、ダイヤモンド編集部は担い手農家アンケート(下図参照)で、値上げができた販路、値上げできなかった販路、出荷を増やしたい販路を聞き、ランキングを作成した。

 次ページでは農家がこっそり教えてくれた儲かる販路のランキングを大公開する。今年は、例年、評価が低かった農協が劣勢を挽回する一方、農家から最も大きな期待を受けてきた産直ECを追い上げる新たな販路の存在も明らかになった。