F:それでもやはり、足回りの良さに対してエンジンが追いついていないという印象は残ります。造り手さんからすれば「フザケンナ」という話なのですが、正直なところ、私は「今なら併売している先代のディーゼルを買った方がいいのでは」とさえ思ってしまいました。あるいは来年まで次のハイブリッドを待つか。それが偽らざるところです。

山:乗られた方が感じたことが正解ですから、フザケンナとは思いません(笑)。

 ですが今回のマイルドハイブリッドは、街中での出足については、ディーゼルよりも軽快に走れるところがあります。そこを体感していただきたいと思います。絶対的なトルクを求められるのであれば、次のSKYACTIV-Zと独自のハイブリッドに期待していただきたいです。

 今回こだわったのは、エンジンの出足だけではありません。ハンドルの切り始め、その後の車体の動きまで「統一感を持ってスムーズに動く」ようにしています。足がしなやかに動いて、無駄な動きがない。乗り心地が良かったと感じていただいたのは、そこもあるのではないかと思います。

クルマで生活が変わる、という開発思想

山:私がこのクルマで実現したかったのは、日々の生活を豊かにすることです。

F:日々の生活を豊かに……。それはどういうことでしょう?

山:いい道具は、人の行動をいい方向に変えると思っています。例えばロードスターに乗れば、早起きして山へ走りに行くようになる。クルマによって生活が変わるわけです。CX-5でも、このクルマで家族と遠出をしたい、キャンプへ行こうか、買い物に行こうか、次はどこへ行こうかと考える。そういう日常の使い勝手も含めて支えられるクルマにしたかったんです。

F:私が加速に文句を言っている一方で、新型はしっかりと売れているようですね。販売は好調と伺っています。