小倉さんはちょっと表情を和らげ、やっと決めたんだなという感じで、「5年遅いな。でもいいと思うよ。笠井君ならやっていけるよ」その言葉に勇気をもらいました。

 その後、妻に「辞めようかと思う」と告白した時、妻が言った言葉も、「いいんじゃない?でも、5年遅かったけどね」

 なんと、2人が同じことを。こうして私はフジテレビ退社を決断しました。

小倉智昭のがんで
退社を半年延期

 2018年の秋。私は会社に正式に辞めたいと報告しました。その際の上司の言葉に私は耳を疑いました。

「笠井も悪い時に辞めるよなあ。もうすぐだよ、小倉さんががんを発表するの」

「がん!?小倉さん、がんなんですか」

「お。知らなかったか?」

「聞いてないですよ!」

「膀胱がんで今度の手術は結構大変らしい。入院は2カ月はかかると思う。それでも辞めるのか?」

 結論は明白でした。小倉さんが一大事の時に辞めることなどできません。小倉さん不在の間、私にも番組を支える責任があるのです。私の退社は半年間延長され、2019年の9月末日となりました。

 小倉さんの膀胱がん手術は成功し、番組にも復帰。2019年7月30日に、私のフリーアナウンサーへの転向が、サンケイスポーツとスポーツニッポンで報じられました。退社の2カ月前のことです。あわせて、小倉さんが所属する事務所「オールラウンド」に入れてもらうことも発表。

 しかし、私の心は穏やかではありませんでした。退社2カ月前のこのころ、体調が思わしくなかったのです。悩んだ末に私は小倉さんに相談しました。

 2019年7月26日。小倉さんにLINE。

お疲れ様です

小倉さん。お休み中すみません。私、膀胱にトラブルを抱えていると思うのです

先々月、前立腺がんと膀胱がん用の血液検査をしたところ、「異常なし」でした

しかし、

(1)頻尿、1時間から2時間に1回トイレにたちます
(2)なかなか尿が出ない
(3)出すときにいきむ必要がある
(4)ツーンと痛みがはしる
(5)少しずつしか尿が出ない
(6)キレが悪い

などなど、ここ1カ月で、症状がどんどん悪くなっているのです