例えば、株価なら日経平均株価があり、これがインデックスの役割を果たしている。インデックスを構成する銘柄が一緒だからこそ、インデックスとして機能するのであり、毎度サンプルが違うとなったらニュースにもならないだろう。
これを不動産に当てはめると銘柄に当たるのが、同一物件ということになる。同じマンションでも住戸によって階数や面積などの条件が異なるため、価格を比較するには調整が必要になる。また、同じ住戸が毎月取引されるわけでもない。株取引は同じ銘柄が毎日取引されるが不動産取引は違う。
このため、銘柄の違う単純平均ではなく、物件ごとの条件差を統計的に調整するなどし、住宅の価格インデックスを作ることになる。
そうしたアプローチで作成している住宅インデックスには次の2つがある。
1つは、国土交通省が発表している不動産価格指数(住宅)で、もう1つは日本不動産研究所が発表している不動研住宅価格指数である。
しかし、前者は2026年1月分(公開予定は2026年4月)から発表が延期されている。その理由は、「算出時のプログラムに不具合が発生しており、原因の確認作業を行っております」と記述がある。既に約半年も経過して不具合が修正できないのだから、かなり根が深い問題だと思わざるを得ない。過去のデータが間違っていた可能性もあり、信用度は既にかなり低いと言わざるを得ない。
不動研住宅価格指数の算出の際には、同一物件での価格推移を追って作成されている。これをリピート・セールス法と呼ぶ。それでも、ある時点において成約価格がない場合は、回帰計算によって価格の変化を推計している。これ以上ない適切な対応と言える。
この指数は2026年9月30日に7月値まで公開されているが、首都圏総合(既存マンション)という指数は31カ月連続上昇となっている。前年同月比で8.99%の上昇であり、まだ値上がりは続いているがその伸び幅は鈍化し、ほぼ横ばいになりつつある。これが現時点で最も実態に近い答えになる。
この指数は首都圏総合と東京都・神奈川県・埼玉県、千葉県に分かれているが、できることならば、都区部と都下を分けたり、都心3区の指数も見たいものだ。
今後も価格は横ばいと予想
供給減でも下落しないワケ
とかく、メディアは耳目を引きたいがために都合よく下がっているデータを持ってきて、論旨展開させたがる傾向が強い。これを確証バイアスという。自分の仮説や思い込みを肯定するため、都合の良い情報ばかりを集め、矛盾する情報を無視・軽視してしまう傾向となる。
このインデックスでも、マンション価格が上がりにくくなっていることは明白であるが、価格暴落は容易には起きない。価格動向について需給バランスの理論を持ち出す人が多いが、この理論が機能するケースは現実にはあまり多くない。







