即レスは最も効率よく信頼を得るための手段である

 第三に、即レスは信頼の証だ。レスが早いということは、「相手を大事にしている」ということにほかならないからだ。「メールが返ってこない」「チャットの既読が付いたまま動きがない」という状態は、対面なら“呼びかけたのに無言で立ち去られる”のと同じ感覚を相手に与える。

 特にリモートワークが標準化した今、返信速度はあなたの存在感を測る1つの指標だ。移動中やエレベーター待ちの数十秒で「確認しました。今日中に詳細を共有します」と返すだけで、相手は安心し、余計な追いメールを打たずに済む。これは「メールを返す時間がもったいない」という議論で見落とされがちな、無形の価値だ。「あれ、どうなってる?」と言われることは、恥ずべきことだと思ってほしい。

 もちろん、すべてのメールやチャットを1分以内に返せと言っているわけではない。クライアントへの正式な提案や交渉条件の回答など、腰を据えて考えるべきトピックは存在する。ただし、その場合も「重要事項なので明日13時までに正式回答します」とワンフレーズ送れば、相手は不安になることなく待機できる。

 要は、即レスとは“完璧な答えを即座に出す”ことではなく、“いつ答えが得られるかを即座に示す”ことだ。そして、メール本文をイチから書くより、テンプレート+生成AIでたたき台をつくり、少々の手直しで送るほうが断然早いので、こういったことに抵抗がなければおすすめだ。スマートフォンの音声入力を使ったり、ユーザー辞書を整備したりすれば、さらにテキスト作成速度は倍増する。

 もし、通知が多すぎて集中できないという場合は、フィルター機能などで通知を減らし、処理する時間帯をある程度固定しよう。

時間がないときこそ役立つ“マイクロ返信”

 ちなみに私は、1日の予定が詰まっているときほど、合間の十数秒でメッセージを返す“マイクロ返信”を意識する。加えて、できるだけ短い文面、もっと言えばチャットなどは絵文字だけで済ませられないかとも考える。

 だが、そのおかげでプロジェクトのボトルネックが私になることはほとんどない。むしろ「レスが早いから相談しやすい」と周囲の情報が自然に集まり、結果として意思決定も高速化する。これが即レスが生み出す正のスパイラルだ。

 まとめよう。優秀なビジネスパーソンにレスポンスが遅い人はいない(遅いと感じる人がいるなら、残念ながらあなたとのやり取りを重要としていないだけだ)。

 メールやチャットを開くたびに「あとで返そう」と閉じるクセがあるなら、今日から「1秒ルール」を試してほしい。開いたメッセージには、その場で“答え”か“回答期限”を必ず返す。たったそれだけで、あなたの仕事は驚くほど滞りなく流れ始める。獲物を見つけた瞬間に動く野生動物のように素早く返す。返信の早さは、ビジネスの速度そのものだ。