得られた利益の適切な配分で
エネルギー政策課題の克服に光明

 こうしたシミュレーションを提示すると、「安全性の確保を蔑ろにした、なし崩し的な原発再稼働はけしからん」、「十分な安全策を取らずに、何でもいいから原発再稼働させたいのか」、「安全確保よりも電力会社を儲けさせる方が大事なのか」といったようなヒステリックな反応が出てくると思われる。

 しかし、決してそういうことではない。先に施行された原発の新規制基準に適合する工事、その他の手当てを同時並行で行うべきであることは言うまでもない。安全と経済を合理的に両立させていくための政治判断が必要だ。

 ちなみに、原発稼働による利益増効果分については、

1、13年5月値上げ分の引下げの原資
2、将来の円滑な廃炉への準備
3、東電への支援(貸付)
4、再生可能エネルギー賦課金の値下げ原資

 などへ適切に振り分けることとすれば、関電管内の需要家利益を取り戻すだけでなく、国全体のエネルギー政策課題の克服に対して、大いに貢献することとなろう。

 本稿でのシミュレーションは、関電の3原発に関して技術的に可能な範囲で行ったものであり、政治判断さえあれば実現するものばかりだ。この試算で設定した原発稼働率は、主要国における原発稼働率(下の資料)と比べても、何ら違和感のあるものではない。

大飯など3原発再稼働で年1兆円超の利益<br />廃炉、東電支援、自然エネルギー育成に充てろ

 以上は一つのシミュレーションに過ぎないので、政府や関電におかれては、今後速やかに公開の場で、より精緻なシミュレーションを行われたい。こうしたことを通じて、原発運営を早期に正常化するよう、安倍政権の早急な政治決断が切に望まれる。

(註:本稿のシミュレーション等で用いた数値は、関西電力「電気料金の値上げについて」(平成25年4月2日)、関西電力「2013年度第2四半期決算説明資料」(2013年10月30日)など既に公開されているものを出所とする。)