大成するために必要なものとは?

 では、大成するためには何が必要か。
 人より努力することである。
 もっと成績をあげるためにはどうすればいいのか、何をしなければならないのか全身全霊を使って考え、創意工夫し、試行錯誤を重ね、実践することだ。

 そうした意欲の源泉となるのが、感謝の心なのである。

 人はひとりでは生きていけない。
「人」という字は、互いに支え合っていかなければ生きていけないことを表していると言われるし、そういう人の間で生きていくしかないという事実を示しているのが「人間」という言葉なのだと私は思っている。

 つまり、人は誰でも、生きている限り、必ず誰かの恩恵を受けているのであり、だからこそ、「他人があってこその自分であり、人のためになってこそ人間である」という感謝の心を忘れてはいけないのだ。

 そうした謙虚さと素直さをもたない人間に、どうして満足な仕事などできようか。感謝する心が我慢する力、努力する力を生み出すのだ。

 ところが、恵まれた時代に育ったいまの若い人たちは、この意識が稀薄である。
 そんな現代の若い人たちに、いかにして感謝の心を植えつけるか──指導的立場にあるリーダーの力量が試されることになるだろう。

『野生の教育論』では、若い人たちにどうやって“野生のスイッチ”を押すか、いままでにないアプローチで書いてみた。ぜひ参考にしていただきたい。


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『野生の教育論』 野村克也 著

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『野生の教育論―闘争心と教養をどう磨くか』目次
◆【プロローグ】 なぜ、私が「野生の教育論」を語るのか
◆【第1章】 野生とは「闘争心×教養」である
◆【第2章】 マー君、神の子、不思議な子――「連勝記録世界新」は、いかにして生まれたのか?
◆【第3章】 野生を支える「教養」をどう磨くか
◆【第4章】 選手や部下の悔しさを引き出し、“眠った野生”に火をつける言葉
◆【第5章】 我慢力と感謝の心の育て方
◆【第6章】 小事が大事を生む
◆【エピローグ】 美意識と自己肯定で強く生きる

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