社会の変化を肌で実感

 私は1950(昭和25)年生まれで、小学校時代のお酒1升の値段は約500円でした。大工さん1日の日当で、やっと2級酒が1升買えます。今なら、1日の日当分あれば、ディスカウントストアあたりで、安いお酒がおそらく30〜40本は買えるでしょう。小遣い程度あれば、すぐアルコール中毒になれますが、昔は、女房・子どもを質に入れても、それほど大量に飲むのは難しい時代でした。
 つまり、酒のありがたみや飲み方は、変わってきているのです。酒造りも変わらなきゃいけない、そう思い始めていました。

 世の中も少しずつ変わっていきました。

 有難かったのが、宅配便です。それまでは、1升瓶なら最低でも1500本積んでコンテナで送るか、小口は駅留めの貨物便で送っていました。それが1箱どころか1本からでも、全国に配送できるようになったのです。

 もうひとつは、ITの発展です。
 当たり前のことですが、私どものような中小企業にとっても、これは画期的でした。青焼きでなくコピー機が買える価格になりましたし、ワープロはつぶれそうな酒蔵でも買えました。今やインターネットを通じて、海外のお客様にも直接発信できます。

 私どもが毎日のように「売れない」と言ってもがいているあいだに、社会は大きく変わってきていたのです。


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