できる人・できない人は
スケジュール調整でわかる

 私が企業の採用担当者をしていたときは面接に入る前、受付の女性に「いまの人、どう?」と事前に様子を聞いていました。当社の採用面接でも、応募者を受付から面接室に案内した社員に「どんな感じ?」と聞いています。好印象の時はこちらから聞かなくても「とても感じのいい人ですよ!」と言ってきます。

 このように、応募者が見られているのは面接の間だけではありません。採用のプロセスにおいては面接だけでなく、いわば「面接外面接」が行われているのです。言われてみれば当たり前のことですが、面接ばかりに意識が向いているせいか、それを自覚していない応募者はけっこういるものです。

 では、どんな場面で面接外面接が行われているのか。その典型がスケジュール調整です。お互いのスケジュールをすり合わせ、どのように面接の日程を調整していくか。これはまさに仕事の1シーンであり、そこからはさまざまなことが見えてきます。

 まず、連絡メールを受けてからレスポンスするまでのスピード。人事のスケジュール提案に対し、レスが早いか遅いか。レスが遅い人は他の仕事も遅い。つまり、あまり仕事のできない人が多い。これは私の経験則ですが、かなり確度は高いと思います。

 業種やその人のポジションによっては会社があまりメールを使わせていない場合もあります。そういう例外を除くと、転職面接のスケジュール調整という重要な場面で返事が遅れる人は、やはり一事が万事です。重要なタイミングでは当然、それに対応できるようスタンバイしていなければいけません。

 どのくらいのスピードで返信すればよいかというと、以前は「メールの返信は24時間以内」という24時間ルールが言われましたが、現在は最長で12時間以内と考えたほうがよいでしょう。24時間では遅い。候補日程を出している側もどんどんスケジュールが埋まっていくので、翌日までそのスケジュールが生きているとは限らないからです。もちろん日をまたぐ場合はそうできないかもしれませんが、基本は即レス、MAXで12時間です。