有価 すごいわ。私、営業にいるからわかるんですけど、売値を上げるのはとても難しいことよ。
先生 そうだね。そのための努力はしているよ。
あのケチケチ作戦のさなかでも、広告費は平成11年度420億円から13年度は460億円と1割増額しているし、販売諸経費も上げているよ。
つまり、高い車を売るための努力、そのための出費は惜しんでいない、ということだ。
売値が13万円上がっただけでは、貢献利益の改善は20万円/台には届かない。その点はどうなの。
有価 材料費などの比例費が下っています。
たとえば材料費は1台あたり160万円から153万円へと7万円下がりました。
もっとも、販売関連の比例費は、さっきの高い車を売るための販売支援ということで0.8万円増加しましたが……。
経太 その分運賃が1台あたり0.7万円下がって、それを埋め合わせています。
先生 その7,000円というのは、実はばかにならない数字じゃよ。
0.7万円×127万台 ≒ 90億円にもなる。
運賃だけで90億円の改善を実施したということじゃ。比例費(いわゆる変動費)の削減効果は大きいね。
経太 材料費や運賃はどうやって下げたんでしょうね? 半端な数字じゃないと思うけど。