1台当りの貢献利益が
20万円も改善!

有価 その損益分岐点低下の最大要因なのですが、1台あたりの貢献利益が平成11年度の51.5万円から、13年度は71.8万台へと、20万円余り改善したことにありました。
概算で127万台×20万円/台で貢献利益は2,540億円改善する計算です。

経太 実際には11年度の133万台に比べて13年度は127万台に6万台減っていますから、その影響で貢献利益総額が6万台×50万円=300億円減ります。したがって、貢献利益の総額は2,540億円-300億円≒2,240億円程度改善したことになります。
この他に期間経費(労務費、償却、広告、給与、管理部門費等のいわゆる固定費)の改善が330億円ほどあるので、2,240億円+330億円=2,570億円と計算すれば営業利益の改善内容がすべて説明できるわけですね。
損益分岐構造を見ると、ゴーン・マジックの秘密がよくわかります。

売値が13万円上がって、
材料費が9万円下がった

先生 君たちのいうように、ゴーンさんのケースの場合、損益分岐点の低下には1台あたりの貢献利益の改善の効果が主で、期間経費の改善の効果が従だということはわかった。
それでは、1台あたり貢献利益はどのようにして20万円も改善されたのかね。

経太 実は、台数は平成11年度が133.7万台、13年度が127.3万台へと6万台下がっているのに、売上げは2兆9,970億円から3兆0,200億円へとわずかながら増えているんです。
計算してみると、1台あたりの売値は平成11年度が224万円に対して、13年度が234万円、つまり、1台あたり13万円も上がっています。