僕が中学生なら
絶対に投資をやる

三田 ちなみに、マンガが大好きで、しかも厳しい批評眼を持つ堀江さんの目から見て、『インベスターZ』はどうですか?

堀江 そりゃあ、おもしろいですよ。だって、いま僕が中学生だったら絶対に投資やってますから。やらない理由がない。「元手がない」と言われるかもしれないけど、適当にアプリをつくって、その稼ぎを投資に回せばいいんですから。

三田 やっぱりそうきますか。

堀江 それで最終的にはベンチャーを起ち上げます。儲かる儲からないだけでいうと、ベンチャーを起ち上げるのがいちばん確実に儲かります。

三田 もともと『インベスターZ』の出発点は高校野球だったんですよ。『砂の栄冠』の取材で、とある甲子園の常連校を訪ねたのですが、練習を見学して夜に監督さんや部長さんと食事をしながらいろんな話を聞いたんですね。すると、「新入生が定員割れで困っているんですよ」と言うんです。僕からすると「えっ、あの名門校が?」という感じなんだけど、実際に監督や部長が直接中学校を回って生徒を募集しないといけないくらい、状況は厳しいらしい。このままでは教職員の給与さえ危ういとか。

堀江 ええ。

三田 いま私立高校の経営は「私学助成」といって、国からの助成金ありきで成立している。そして助成金を受けるためには、文部科学省の定めるカリキュラムや設置基準を満たし、「公の支配下」に置かれる必要がある。でも、それだと真の意味での「自由な教育」ができないんですね。私学が私学である意味がない。じゃあ、どうすれば国に頼らず自由な教育ができるか。

堀江 そこで投資ですか。

三田 そうなんです。莫大な資産を運用して、その利回りで学校経営をする。しかも、大人が運用するんじゃおもしろくないから、秘密の「投資部」をつくって天才投資チームの子どもたちにやらせる。

『インベスターZ』
創立130年の超進学校・道塾学園にトップで合格した主人公。彼は入学式当日に、各学年成績トップ6人のみが参加する「投資部」の存在を明かされる。彼らの使命は3000億円を運用し、8%以上の利回りを生み出すことだった──。「モーニング」にて絶賛連載中の投資をテーマにした漫画。『ドラゴン桜』『エンゼルバンク』などヒット作を生んだ三田紀房の最新作。1〜2巻が好評発売中。最新第3巻は、3月20日(木)に発売!

堀江 その天才投資チームという発想はおもしろいですよね。あんまり聞けないんですけど、物語は今度どう展開していくんですか?

三田 じつは、主人公の財前君が……(※極秘)……という展開になっていくんですよ。

堀江 なるほど、おもしろい!

三田 おもしろそうでしょ?

堀江 ええ。単なる投資マンガじゃないのがいいですね。