「この不況にもかかわらず、うちの夫ったら毎月の自分の小遣いをもっと値上げしてほしいって言うんですよ」

 相談室のソファから今にも起ち上がらんばかりに声をあらげる女性は40歳専業主婦、小学校5年生と4年生の2人の男の子を育てる母親である。

 相談者の彼女だけでなく、「夫の小遣い」が夫婦間で問題として取り上げられることはよくある。主に相談するのは妻の側だ。家計のやりくりを任せられている妻たちは、夫の小遣いが増えることによって、食費や雑費を細かく節約しなければならない、子どもにかけるお金が減ってしまうと憤慨する。

「夫の小遣い」
平均額は3万9400円!

 最新のデータによると、日本の夫たちの小遣い平均は3万9400円。子供の有無でその金額はだいぶ変わるようだが、子持ちの夫であれば一番多いのは3万円台だそうだ【GE Money「2008年サラリーマンの小遣い調査」より】。

 ちなみに相談者の彼女の夫は年収950万円。1ヶ月の小遣いは4万円だという。

 「平均より高い小遣いを与えているのに、夫は不満なんですよ。小遣いを上げなければ給与口座も自分で管理すると言いはじめています。いい加減にしてほしいわ!」

 ヒステリックな妻の口調では、夫の側からも彼女に対して「いい加減にしてほしい」と思っているかもしれない。

 彼女は、多くの専業主婦世帯と同じように、夫の給与が振り込まれた銀行口座を妻が管理し、夫に毎月小遣いを渡している。