大型のイグジットにより新たなエコシステムが生成

 昨年のイスラエルの大型のイグジット(Exit)と言えば、2013年6月、グーグルに9億6600万ドルで買収されたWaze社、2013年9月、IBMに6億5000万ドルで買収されたTrusteer社(前項で名前を挙げたクレイマー氏は同社にも出資、ブダエイ氏が共同創業者)、2013年10月Facebookに1億5000万ドルで買収されたOnavo社、2013年11月アップルに3億6000万ドルで買収されたPrimeSense社のニュースは、日本でもウェブメディアを中心に取り上げられた。

 イグジット後、すでに、買収された企業出身者による次の動きが始まっているので、一部をご紹介する。

 アップルに昨年買収されたPrime Sense社でIT Specialistを務めていたサッシイ・ネイタン(Sassy Natan)氏は、2014年に入り、クラウドセキュリティのCloud Intact社(ステルスモード)を設立。Googleに買収されたWaze社の創業者でもあったウリ・レバイン(Uri Levine)氏は買収後わずか2ヵ月後の8月、Blumberg Capitalから300万ドルを調達しFeeX社を創業している。

 レバイン氏は、ギフトカードの交換プラットフォームを運営するZeek Mobile社へも投資するなど、すでに自身で5社ほどのスタートアップに関係を持つ。同氏はイスラエルのスタートアップのエコシステムを象徴する新たな存在になりつつあり、大型のイグジットで資金を得た起業家が次のサイクルを創っていく最近の顕著な例の1つになっている。