特に車載及び家電・商業・産業用モータ事業は、車載市場における燃費効率改善や白物家電等の市場における省エネニーズの高まりを背景に、今後高い利益成長性を示す可能性が高い。

 HDD市場減速が従来業績面での懸念材料であったが、HDD関連事業に対する収益依存度は既に大幅な低下を示している。会社側が掲げる中期計画(16年3月期営業利益1800億円)に向け、今後もM&A実施等積極的な経営戦略の実施も期待されよう。

(出所)会社資料、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ予想

 TDKに対する投資論点は、(1)構造改革を通じた受動部品事業の収益性改善、(2)HDD磁気ヘッド事業の高収益性維持、(3)電池事業拡大の3点。

 受動部品事業は、構造改革効果に加え、車載市場向け売上構成比が上昇していることで、今後安定した利益水準の上昇が見込まれる。高周波部品等依然赤字に苦しむ事業はあるものの、更なるコストダウン実施や売上トレンド改善に向けた取り組みの成果発揮等、収益性改善に向けた動きは着実な進展を示している。HDD磁気ヘッド依存型の収益構造から、受動部品収益性改善を利益拡大ドライバーとする事業ポートフォリオへの転換が期待される。

 HDD磁気ヘッド事業については、ノートPC用2.5インチHDD市場がSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)台頭により縮小を示す一方、より多くの磁気ヘッドを必要とするニアラインドライブ(データセンター用HDD)市場拡大が、当社磁気ヘッドに対する需要をサポート。ちなみに2.5インチHDDにおける磁気ヘッド使用個数は1.4~1.5個であるのに対し、ニアラインドライブでは8~10個の磁気ヘッドが必要とされる。HDD磁気ヘッド事業のキャッシュカウ(稼ぎがしら)化という当社事業戦略が現実ものとなりつつある。

 またスマートフォンやタブレット市場向けポリマー電池の成長性も、当社利益の中・長期成長を牽引する要因となろう。

(出所)会社資料、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ予想