NPBのスローガンは2004年から毎年シーズン開幕前に発表されるようになった。2004年といえば、プロ野球再編をはじめ多くの問題が噴出した年。プロ野球人気の陰りに対する危機感から、スローガンを立てて世間にアピールするようになったともとれる。ちなみに、この時のスローガンは「日本プロ野球70年」。いろいろあるが70年もの歴史を誇っているのだぞ、といった権威づけが感じられる。

 翌05年は「フルスイング!プロ野球」。豪快なプレーを見せろということか。06年は「すべては歓声のために」。ファン=お客さまを大事にするという姿勢が見て取れる。07年はこの「すべては歓声のために」に「世界一からの挑戦」が加わった。これは前年のWBCで日本が優勝したことを受けたもの。08年は「野球力」、09年は「野球とは、」。何やら模索中という感じだ。2010年は「ここに、世界一がある。」 これは第2回WBCでの優勝を再び受けてのもの。翌11年は「覚悟! なぜあなたはここにいるのか」。東日本大震災の直後で、プロ野球関係者に自分の存在意義を問うている。翌12年は「心をつなぐこのプレー」で前年のスローガンを引き継いでいる。

 ところが13年は突然イメージを変えて「WE☆LOVE BASEBALL」。そして今年の「あたらしい球史をつくる。」に至った。いろいろと試行錯誤を重ねたうえ、ここへ来て開き直った感じさえ受ける。まあ、そう深く考えてはいないのかもしれないが。

 もちろんこれまでのプロ野球の輝かしい過去を無視することはできない。が、それをことさら引きずらず新しいプロ野球を作っていこうという姿勢は評価してもいいのではないか。今季次々と現れた活きのよい新人や若い選手たちが、その担い手になってくれることを期待したい。