来年3月に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表監督に星野仙一氏が就任する可能性が高くなってきたという。
それを明かしたのは「WBC体制検討会議」に出席した楽天・野村克也監督。「王も“現役監督は難しい。星野がいい”と言っていた」、「出来レースなんじゃないの」と冷めた口調で語ったそうだ。
WBC体制検討会議は、日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナーの呼びかけで召集された5人のプロ野球人によって、先週15日に行なわれた。第1回WBC優勝監督の王貞治氏を特別顧問とし、野村監督、北京オリンピック日本代表監督を務めた阪神・星野仙一シニアディレクター(SD)、日本ハムでゼネラルマネージャーとしてチーム作りを行なったことがあるヤクルト・高田繁監督、1988年ソウルオリンピックで銀メダルを取った経験をもつ元広島・野村謙二郎氏というメンバー構成である。
加藤コミッショナーは就任当初から、「NPBの取り決めは公平性、透明性のあるものとする」と語っており、上記検討会議の人選もそれを意識したバランスが取れたものに見えた。
野村監督は代表監督に色気を持っていたようだ。また、それが実現しなかったとしても公平性と透明性を重んじる会議。監督人選では自由な話し合いが行なわれると思っていたらしい。
「現役監督は対象外」で復活した
星野監督というシナリオ
ところが、他のメンバーから出るのは「現役監督は避けるべき」という意見ばかり。そこでまず自分が代表監督になる可能性は消え、残ったのが星野氏。最後は「WBCも星野監督で」という空気になり、野村監督は不満を持ったというわけだ。もちろん15日の第1回会議では星野氏に確定したわけではないが、“ほぼ内定”といえる状況になったという。今後、28日に第2回会議も開かれる予定だが、よほどのことがなければここで星野氏の就任が正式発表されるといわれている。
この一連の流れを受けて、「出来レースじゃないの」という野村監督の言葉には、多くのファンがうなずいたのではないだろうか――。
そもそもNPBでは北京オリンピックからWBCまで星野監督でいくと決めていたフシがある。オリンピック予選をトップ通過した星野ジャパン。北京では最悪でもメダルは確保し、その流れでWBCまで行けるというシナリオである。