また、私は絵が描けなかった。だがあきらめずに、上手に描ける人に学んで試行した。イメージを描いては調整しフィードバックし、よりよい絵が描けるようになる。

 徐々に段階を追って、ノートに書く文章も短くなり、一文から句へ、句から単語へと変化した。これがマインドマップのブランチに書くキーワードとなった。ここに達するまで何度もTEFCASを繰り返した。

 私のノート術は何千回にも及ぶ実験の結果だ。マインドマップのすべての法則はこのようにして生まれた。例えば、ノート上の「関連付け」も、「関連づけがないと記憶しにくい」というフィードバックから生まれた。この情報を基に調整し、ノート上で関連付け(連想)を行ってみた。文章で書かれたノートで試してみると、キーワードで書くノートと比べ記憶しにくく創造性も乏しいものの、関連付けを使わないときよりははるかによい結果だった。

 何度も結果や色や感情をチェックし、今の真正のマインドマップが出来上がったのだ。TEFCASはマインドマップの定義を明確にした。試行、出来事、フィードバック、チェック、調整を繰り返し、マインドマップという成功に進んでいった。それはいわばマインドマップとTEFCASの結婚といえる。

「私はそんなに何度もTEFCASを繰り返すことができない」と言う人も、赤ちゃんの頃には前述のようにTEFCASが自然にできていた。本来、誰もができるはずのことなのだから、ぜひ始めて欲しい。


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