維新の会もみんなの党も、支持が急増し、勢いのあるときは他党との連携にきわめて消極的であった。そして、党内においても政策面でズレも小さかった。

 選挙や政局を優先して党が連携、合流すれば、人が寄り合い所帯になるばかりでなく、政策まで寄り合い所帯になる。それは民主党の大失敗の貴重な経験によって痛感させられているところだ。

なぜ集団的自衛権行使の阻止を
政局を越えて訴える政治家が現れないのか

 政治家の行動とは、置かれている立場を賭けたものである。そうでなければ政治家の行動とは言えない。

 辞職、離党、除名をも覚悟して、集団的自衛権の行使を阻止しようとする政治家がなぜ出現しないのか。政局を越えて、力の限りの肉声で、自分の主張を発信する政治家はもう存在しないのか。

 決起を決断した高杉晋作は、「いま決起する」、「1人でも決起する」という決意に一瞬たりともブレはなかった。だからこそ彼の大事業は成功したのである。

 今からでも遅くはない。集団的自衛権の行使に反対する政治家は、個人としてその主張を国民に届けるべきだ。

 高杉晋作と言えば、安倍晋三首相の“晋”は晋作に由来すると聞く。父方の祖父・安倍寛氏は「昭和の晋作」と言われ、軍部の暴走に立ちはだかった硬骨の政治家であった。晋作に心酔し、息子に晋太郎(元外相)と名付けたのだろう。

 その高杉晋作は、“独立の気概”を何よりも重んじた。首相もそれを見習ってほしい。

 首相が目指す今回の集団的自衛権の行使は、軍事力の一体化を通じて国の独立性を著しく損なうことは明らかである。千載に悔いを残すことはここでぜひ思いとどまってほしい。切なる願いである。