カンパニー制がはまれば、
社員ひとりひとりが経営者感覚を持ってくれる
保田 すごい! 正直なところ、単一商品を扱っている中小企業でそこまでカンパニー制を徹底しているのは、「そこまでやるか!」という印象です。
望月 全社員に経営者感覚を持ってもらうのに好都合なんです。ひとつのカンパニーはだいたい2人から5人くらい、一番多いところで10人くらいです。その中で、「コストはいくらなのか」「利益はいくらなのか」ということがわかると、自然にひとりひとりがカンパニーの経営者であるかのような動きになります。
保田 稲森さんが京セラやJALで採用しているアメーバ経営と同じですね。
望月 私は、いろいろ言ってメンバーにやらせるタイプだった父と違って、あまり言いたくない性格なので、仕組みを作って経営を機能させたいと考えています。だからカンパニーごとに決算書を作り、「予算と目標を与え、利益を出したらマル! あとは何をしていてもOK」という感じですし、逆に「赤字を出したらダメ!」と責任を明確にします。こういうふうにやるにはカンパニー制が一番いいと思っています。
保田 カンパニーごとにP/LもB/Sも作ります?
望月 工場に関しては、B/S、P/Lの両方ですね。営業も在庫を入れています。
田中 カンパニー専属の人件費はカンパニー直接人件費として計上しますよね。共通経費はどうするんですか?
望月 すべてのカンパニーにしっかり配賦しますよ。
田中 それで、カンパニー長は一企業の社長という意識でやっているわけですね。
望月 そうです。毎月、カンパニーの決算書が出てきますから。そして、カンパニー長に対しては、カンパニーの利益の何%をインセンティブとして配分します、と決めています。
田中 それはボーナスで支給?
望月 毎月の給料に反映させています。