今回は、世界最大のオンライン署名プラットフォーム「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」の日本代表を務めるハリス鈴木絵美氏に、才能の磨き方を聞いた。イェール大学卒、マッキンゼー勤務ののち、change.orgの日本進出に携わった彼女は、いったいどのような教育を受けてきたのだろうか。
(聞き手は、子どもの学習支援や成人向け就労支援事業などを行う株式会社LITALICO代表の長谷川敦弥氏。構成は書籍オンライン編集部)

2年間で利用者を50万人に増やした
世界最大のオンライン署名プラットフォーム

ハリス鈴木絵美(はりす・すずき・えみ)
change.org日本キャンペーンディレクター。イェール大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務を経て、2008年オバマ大統領の選挙キャンペーンにボランティアスタッフとして参加。2012年、現職。
change.org
https://www.change.org/

長谷川 まずハリス鈴木絵美さんが日本版を立ち上げたchange.org(チェンジ・ドット・オーグ)について教えてください。

ハリス change.orgは2007年にアメリカで始まった世界最大のオンライン署名プラットフォームのことで、社会を変えるためのキャンペーンを誰もが発信できます。現在7000万人以上の方がサイトを利用していて、18言語で運営しています。日本版の運営が私の仕事で、立ち上げから今まで利用者はどんどん広がっています。現在日本では50万人ぐらいのユーザーがいます。

 change.orgの署名キャンペーンの内容は本当にピンキリなんですよ。こじんまりしたものだと、北海道大学のジンギスカンパーティー復活に関するキャンペーン。この例は、パーティーを中止にすると一方的に大学側から言われたとき、学生が反発して、change.orgを使ってパーティーを復活させるために署名を集めたんです。そして実際に復活させました。大きいものだと、先日の都議会のセクハラ発言に対する抗議キャンペーンなどがあります。4日間で9万人も集まりました。本当に小さいものから大きいものまで、国内にとどまらず国際的な問題に対して発信されるものもあります。オープンな場所として誰でも使える署名のサイトですね。

長谷川 おもしろいですね。日本版はいつから始まったんですか。

ハリス 2012年の夏です。いろんなことに疑問を抱かざるをえない今の時代だからこそ、何かおもしろいことができると思います。

勉強も部活も、すべては「役に立つかどうか」
つまり、いい大学に入るため

長谷川 ありがとうございます。輝かしいキャリアを持ち、かつ社会的に意義深いサイトを立ち上げた絵美さんですが、子どものころはどんなお子さんでしたか。

ハリス 私が育った家庭は、何よりも成功することにこだわるところでした。「成功しなくちゃダメだ」とか「成功しそうにないことになんで参加するの」とことあるごとに言われて。とにかく成功すること、外部から評価されることをすごく求めるような子どもで、「はなまる」をもらえるのが大好きな子どもでした。

私の父親は「役に立つかどうか」ですべてを判断していて、その影響を受けています。高校のころ、一度スペイン語がやりたくて一期分クラスをとったんですが、あまり成績がよくなかったんですね。そしたら父親は「成績の平均が下がるからやめれば」と言うんですよ。「スペイン語なんてどうせ誰も話していなんだから、外国語をやるならビジネスに役立つ中国語にしなよ」と言われて。

長谷川 合理的なご家庭だったんですね。学校ではどうでしたか。

ハリス 私は父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフということもあって、日本のインターナショナルスクールに高校まで通っていました。とにかくまじめで、ルールをちゃんと守る優等生でした。いい大学に入るという目的を持っていたから、とにかくいい成績を残していい部活の実績を上げなくちゃいけない、といつも考えていて。スポーツをするときもまじめで、中学の夏休みは毎日5時間テニスをしていました。移動時間を入れると毎日9時間。何事も中途半端にできない性格でしたね。

長谷川 学校の科目で得意不得意などはありましたか。

ハリス 全部得意だったと思います。特に文系科目が得意でした。英語、日本語、あと歴史のクラスとか。高校1、2年生のときは賞をもらって。