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中国「LINE封鎖騒動」の真相
――「グレートファイヤーウォール」はこうして作動した

渡辺大介 [ピド代表取締役]
【第58回】 2014年8月21日
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スカイプやリンクトインは
なぜ中国で使えるのか

 一方、同じ海外企業におけるメッセンジャー・コミュニケーションアプリとして有名なスカイプやリンクトインは、例外的に中国における継続的なサービス展開に成功している。

 スカイプは、上述した中国政府の検閲時の要点や協力要請、自主規制を積極的に行っており、全国人民代表大会や香港返還記念日のタイミングなどを除き、比較的安定的なサービス提供に成功している。

 またリンクトインは、LINE同様のメッセンジャーアプリに見えるが、中国で成功している主な理由は、「主な利用用途や機能がビジネス向け」「利用者も英語可能な高学歴層がほとんど」「利用者数が少なく影響が少ない」点であり、「反政府活動」や「公序良俗」を揺るがす事態になる可能性が低い、という点でグレートファイヤーウォールのアクセス遮断対象外となっている。

 ただし、8月7日に発表された、通称「微信十条」により、今後スカイプやリンクトインに関してもサービス改訂がなされる可能性があり、安定したサービス提供が継続してできる、とは言い難い状況である。

 いずれにせよ、LINEをはじめとした、中国にとって中国政府の検閲が効かないグローバルでの情報交換ができる海外系SNSアプリは、安定したサービス基盤を獲得することが容易ではないのが、現在の中国におけるネット市場の現状である。

BBC中文版(中国からのアクセスは遮断されている海外サイト)。7月2日の記事では、IPアドレスそのものを意図的に遮断されているため、回復は困難との見解を示している
中国本土のビジネス系ニュースサイト「21財経」の8月11日付記事の要旨は、「中国国内に『We Chat』のような優秀なツールがあるので、実害や影響は軽微」であるとしている
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渡辺大介
[ピド代表取締役]

1981年生まれ。国際基督教大学卒業後、日系システム会社、中国系Eコマース、マーケティング会社を経て現職。2014年より、ピドの代表取締役兼フラクタリストチャイナ日本事業本部長として、日系企業向けに中国市場でのマーケティング支援を行っている。ピドは、中国市場でのモバイルを活用した広告マーケティング分野の最大手企業であるフラクタリストチャイナのソリューションをはじめ、日系企業が中国でのモバイルマーケティング活用を検討するサポートを行う。

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