Aさんの場合には、上記のことが現実的にできそうなこととして出てきた。ひもじい思いをしながらのダイエットは続かない。痩せたいと思うと、つい焦って食事の量を減らしてしまうが、食事の量を減らすダイエットほど継続が難しいダイエット法はない。

 それに、フィジカル面での問題も起きる。疲れやすくなるし、集中力が落ちるし、イライラしやすくなる。もしも冷静なときに「このような環境下でダイエットを続けられますか?」と聞かれたら、ほとんどの人の答えはNOなはず。でも、「痩せなくてはいけない」という思考に支配されてしまうと、物理的にムリなのではなく「できない自分がダメなんだ」「今度は頑張ろう。頑張らなくてはいけない」となってしまう。健康になるためにしようとしたはずのことが、自分を否定し、自分の心までをも不健康にしてしまう…それが食べないダイエットのつらいところでもあるだろう。

ご褒美のチョコは食べてもいい
ストレスを制すればダイエットを制す

 実は、食べたい欲求には、もっと素直に従った方が良いこともある。それはもちろん、先にあげた主食・主菜・副菜の3つのコマを朝・昼・晩のそれぞれで満たすことが大前提であるが、その中で何を食べるか、にはあまり縛られない方が良いときもある。

 それはどんなときかというと、自分の思考の中で「カロリー」や「体型」が支配している面積が広そうなときだ。好物なのに「絶対食べてはだめ」と言い聞かせているものが多いときもそうかもしれない。体が欲するもの、その声を無視するダイエットは、「頑張っているのに痩せない」という体からのしっぺ返しをもらいやすい。それはリバウンドという形であったり、栄養の偏りからくる代謝低下であったりもする。ダイエットをスタートさせるときは、「これから頑張るからよろしくね」というくらいの気持ちで、それがとんかつであったとしても、ラーメンであったとしても、体にある種のご褒美をあげた方が良い。これは、ダイエット中も、週に一度くらいはして良い習慣だ。

 先日、知人が興味深いことを言っていた。もともと、かなりな健康マニアのその知人は、お金と時間にゆとりがあったため、外食するお店も選びたい放題だったし、高価なダイエット食品やサプリメントも買えたし、自宅にはトレーニングマシーンが揃っていたし、日中ランニングすることもできた。そして、食生活には細心の配慮をしてストイックすぎるくらいのダイエットをしていた。