「環境整備点検」の点数を
評価と連動させる

 わが社では、定期的に環境整備の進捗状況をチェックしています。
 チェックするしくみがないと、環境整備はただの掃除大会になってしまい、改善につなげることができません。

 そこで4週に一度、全営業所・全支店の「環境整備点検」を実施しています。

「環境整備点検」では、点数をつけて評価、「環境整備点検時の点数」が賞与に直結しています(社員だけでなく、パート・アルバイトも賞与に連動)。
 点検結果によっては、賞与の額が大きく変わります。

 また、「環境整備点検」は「120点満点」。3回の合計得点が「350点」以上なら、部門全員に食事券をプレゼントしています(1人2000円)。

 食事券がほしい。賞与を少しでも多くもらいたい。だから「やりたくないけど、やろう」。そう考えるのがまともな社員です。

 お金で釣るのは不純だという声もありますが、きれいごとを言って結果を悪くするのはダメな社長の典型です。結果が清ければ、動機は不純でもいいのです。

「環境整備点検」を成功させる
二つのポイント

「環境整備点検」をするときは、次の2点を必ず守っています。

◆1.抜き打ちチェックはしない
 抜き打ちチェックは卑怯です。抜き打ちチェックは、会社を暗くするだけです。だから私は、「○月×日にチェックに行きます」と事前に告知しています。

 点検日を伝えておくと、「じゃあ、点検日の前日だけ環境整備をやればいいや」と、姑息なことを考える社員が表れます。でも、それでもいい。
前日の夜や当時の朝に、「慌ててやる」「つじつま合わせでやる」のが、正しい仕事のやり方です。

 抜き打ちチェックだと、「どうせ抜き打ちだから、やってもしょうがない」とあきらめ、環境整備をやらない社員が出てきます。

 でも、あらかじめ点検日がわかっていれば、最低でも「4週間に1回」「1年で13回(1年=52週、52÷4=13回)」は「環境整備」をすることになるわけです。

◆2.「チェックリスト」にもとづいて点検する
 チェックリストにもとづいて点検することを「チェック」と言い、チェックリストのない点検を「追及」と言います。

 普通の会社は、社長が「追及」をします。
「どうして、できないのか」「ここが全然キレイになっていない」と社員を叱ることになり、会社が暗くなります。

 チェック項目は、全部で21項目だけ。項目数を増やすと、それだけチェックが散漫になってしまいます。

 評価は「○」と「×」しかありません。お客様は、「商品を買うか、買わないか」「サービスを受けるか、受けないか」のどちらかしかありません。
「△」はない。99点でも買ってもらえないのなら、それは「×」と同じです。
80点、65点、98点と点数で評価しないのは、「99点も0点も、同じく『×』である」ことを社員に理解させるためです。