「やる気」「やりがい」は一歩間違うと死を招く!?
ここでまず知っておいていただきたいのが、「疲労」と「疲労感」は違うということです。一般的にはほぼ同じイメージで使われているこの2つ、実は医学的にはまったく異なるものです。
「疲労」と「疲労感」の違いを端的にいうと、「疲労」は体や精神に負荷を与えられたときに見られるパフォーマンスの低下であり、「疲労感」は個々人が感じる心理的なもので、心の持ちように左右されます。
例えば、ゴルフを例に取りましょう。ほぼ同じ距離を歩いていて体の疲労は同レベルにもかかわらず、スコアによって疲労感がまったく異なります。好スコアの場合は徹夜明けのゴルフでも疲れを感じないのに対し、体調万全で臨んだラウンドでOB連発の悪いスコアを叩きだしたときには、コース終了後に疲れがどっと出てくることがあります。
実は、疲労感は「意慾」や「達成感」に大きく影響されてしまいます。
動物は疲れたら必ず休みますが、前頭葉が発達した人間は、やる気ややりがい、達成感などの感情に疲労が隠されてしまい、疲労感を感じにくくなります。
徹夜明けや、体調を崩しやすいこの時期に、なんの対策もしていないのに「私、全然平気!」と涼しい顔をしている人は、疲労感はなくても体は確実に疲労しているのです。