とはいえ、1896年に定められて以来、120年近くが経過し、経済環境などは大きく変化。そのため改正に当たっては、①判例を明文化する、②用語を分かりやすくする、③現実の経済変化に対応する、④国際的な取引ルールと整合性を図るという、4つのポイントを掲げて議論が進められた。

 今回は、主に契約のルールを定め、財産に関する法律のうち、半分程度を占める「債権」の部分のみが対象。それでも、当初、ピックアップされた論点は500点にも達し、議論がまとまらなかったというのだ。

 しかし、理由はそれだけではなかった。

新ルール策定でインパクト大!
経済界が猛反発で法曹界とバトル

「立法とは妥協の産物である!」

 民法改正を話し合ってきた民法部会の席上では、こんな激しい言葉が飛び交っていた。

 部会は毎週のペースで100回近く開催されていたが、毎回、さまざまな異論が噴出。明文化されていないものの、全会一致が暗黙の了解となっているため、議論が集約できなかったからだ。

 そうした事態に陥った最大の要因は、プレーヤーの多さ。部会には、幅広い意見を反映させようと法曹界はもちろん、学識経験者や経済界、消費者団体に至るまで、さまざまな分野の代表者たちが委員に名を連ねた。

 法曹界は判例に、学識経験者たちは学説との整合性などにこだわった。しかし、ビジネス現場の声が反映されないことに経済界は猛反発し、時に議論は平行線をたどった。

 そんな経済界も、「銀行に都合がいい条文になっている」「反対意見が出なかったので認めたとの認識」「銀行に逆らうことはできないから」といった応酬が繰り広げられるなど、決して一枚岩ではなかったという。