利益なき繁忙が業界体質だ。王子製紙の営業利益は2003年3月期が564億円、2008年3月期が421億円。長期株価低迷は、業績に基づいた正当な市場評価と言わざるをえない。

 では今後の見込みはどうだろうか。前期は製品価格の値上げをもくろんだものの、チップなどの原材料や重油などの燃料価格上昇を転嫁できずに、3期連続減益に終わっている。新興国の成長を背景とした重油高・古紙高の影響を受けているのだ。

 足元の状況についてだが、国内需要は輸入紙減少の影響で底固いが、流通在庫が高水準のようだ。大手製紙メーカー各社は15%程度の値上げを念頭に置いているようだが、すんなりと値上げが通ることも考えにくい。しかも秋以降、北越製紙の新潟工場などの設備増強が立ち上がる予定である。市況のかく乱要因となりそうだ。

 株価は大きく調整しているため、PBRは1倍前後の会社が多く、配当利回りも2%を越えている。値上げが浸透すれば、それなりに株価も反応しそうである。現状は様子見が賢明だろう。大きな上昇トレンドを描くためには、業界再編が不可欠と判断される。

紙パ業界:
製品値上げ浸透が未知数のため
「雨」→「雨」

雨 雨

今回のポイント(まとめ)

 紙パ業界については、原材料と燃料価格の上昇を製品価格に転嫁できるかどうかがポイントである。株価指標は十分に調整しているため、値上げ効果が浸透すれば株価の上昇も期待できる。ただし、本格上昇には業界再編が必要だろう。