ビジネスモデルの効能

 では、ビジネスモデルは、どんなときに使えるのでしょうか。なぜ、有効なのでしょうか。その効能としては、次の3つがあります。

(1)ビジネスの分析ツールになる
ビジネスモデルというモノサシを導入すれば、既存ビジネスを変革できます。
 そのためには、まずは今世の中にある主流のビジネスや流行のビジネスを分析する必要があります。

 それらを、先ほど紹介したハイブリッド・フレームなどのフレームワークに落とし込んで、整理して考えることで、新しいビジネスや事業の切り口が見えてきます。

(2)ひらめきやアイディアを整理できる
 ジョブズやベゾスなど、いわゆるビジネスセンスのある“天才型”の起業家は、パっとひらめいたアイデアや衝動をナプキンやコースターに書くだけで、ビジネスとしてまとめあげてしまいます。

 同じことを、誰にでもできるようにしたのがビジネスモデルです。

 ビジネスのネタを整理できるハイブリッド・フレームは、その一助になります。卓越したビジネスパーソンが自然にやっていることを、方法論として持つためのツールなのです。

 これは英文法の習得に似ています。ネイティブ・スピーカーは、ふだん話すときに文法なんて気にしません。

 しかし、私たち日本人は英文法を学ぶことが、短期間に英語を効率的に学習するための最短の方法になります。

 同じように、ビジネスモデル思考法を習得すれば、世の中のどういう人に、どんな製品やサービスを、どういう形で、いくらでと、ビジネスモデルとして瞬時に落とし込むことができ、新しいビジネスを誕生させることもできるようになります。