日本のスポーツ業界は
お客様を楽しませようという発想が乏しい
川上:僕が考えるビジネスモデルの定義は「顧客に満足を、企業に利益をもたらす仕組み」ですが、それをゼビオに当てはめるとどうなりますか?
諸橋:そうですね…。「組織がベクトルを合わせてスポーツを産業化し、お客様に感動を与えていく仕組み」という感じになると思います。
川上:グループが同じ方向を向いて、初めてお客様を満足させられるということですか?
諸橋:そうですね。もう少し言えば、小売業を軸にその周辺事業も手がけていけば、スポーツが育ち、その定義を変えることができるかなと期待しているんです。
例えば、日本ではアリーナ(競技場)1つ、スポーツチームの運営1つとってみても、観客を楽しませようというエンタメ性が低いと思います。日本のスポーツでは、選手と観客が一体となって楽しむ、共感するということが少ないのではないでしょうか。要は今のスポーツは、あらゆる側面で、まだまだお客様目線が乏しいのです。いまだに観客の飲食を禁ずるアリーナがたくさんあることが、それを物語っていますよね。