スポーツ関連商品だけでは
スポーツの良さを価値提案できない
川上:連結売上高2000億円を達成し、まさに破竹の勢いで成長しています。なぜここまで事業拡大を図っているのですか?
諸橋:ゼビオの経営理念は、「こころを動かすスポーツ」です。単にモノを売る商売にとどまらず、「お客様の心を動かすために、スポーツの魅力と可能性を最大限に引き出すにはどうすればいいか」を考えたとき、その最適な方法が事業拡大でした。事業を拡大して、スポーツの価値をもっと提案していきたいと思ったんです。
川上:小売業だけで完結させず、その周辺事業も巻き込んで事業拡大を図っていますね。グループ全体でスポーツを盛り上げようというお考えは、他の小売業にはない独自の事業スタイルだと思います。
諸橋:そうですね。こちらからスポーツの価値をお客様に提案するとき、スポーツ用具やウェアを売るだけでは、やっぱり不十分なんですよ。お客様はスポーツを「する」だけではなく、健康維持のためにドラッグストアでプロテインを「買う」こともあるし、好きなスポーツを「観戦する」こともあります。
例えば「観る」に焦点を当てたら、アリーナの運営やスポーツチームのスポンサーなどでもスポーツの価値提案ができるはずです。こんなふうに考えて、事業を拡大してきました。
川上:なるほど。そのあたりは「ビジネスモデル」に通じる話だと思います。