ゼビオの顧客価値とは、
お客様の「感動価値」

川上:今までのお話を聞いていて、ゼビオさんのハイブリッド・フレームについて考えてみました。ハイブリッド・フレームは、ビジネスモデルのキモとなる「儲かる仕組み」を「顧客価値」と「利益」の両方から思考していきます。ゼビオの「顧客価値」と「利益」は図のようになります。

社員のベクトルを合わせてお客様に感動を与える、<br />それがゼビオ流ビジネスモデルゼビオのビジネスモデルは、スポーツで感動したい人、上達をめざす人に、商品などを通じてスポーツのある生活を提案し、ナビゲーターとして長期的な関係を築きながら利益を得るというもの。

諸橋:誰に(上)、何を(中)、どのように提供するのか(下)という3つを、「顧客価値」と「利益」のそれぞれに対して投げかけるということですね。

川上:はい。たしかゼビオのミッションは「感動価値」でしたね。そうすると会社として考える「顧客価値」は、「お客様に感動を与えること」になりますね。スポーツをする側、観る側、あるいはスポーツ初心者に対して、スポーツのある生活をサポートし、従業員一人ひとりがお客様の感動価値を創造できるようなお手伝いをしていくということかと思います。
 一方、ビジネスモデルの場合は「顧客満足」だけでなく、きちんと「利益」も確保する必要があります。ゼビオの場合、「利益」の源泉は小売業です。その利益を元手に、スポーツチームの運営費などの資金に充てて、スポーツ産業全体を盛り上げていこうと考えていますよね。こう解釈しましたがどうですか?