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外資系リーダーが日本を変える

権限移譲型のリーダーシップ

上田谷真一 バーニーズ ジャパン 代表取締役社長

GAISHIKEI LEADERS
【第11回】 2014年11月28日
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なぜ権限移譲するのか?

 権限移譲をする理由、それは、「自分より優秀な人と組んで仕事をした方が自分のパフォーマンスが上がる」からだ。今の時流に合っていて人から好感を持たれるから、などという安易な理由では成功しない。

 自分がある事業分野を熟知していたとしても、商品開発と生産とマーケティングと販売の全ての専門家であるというケースは稀であろう。こういう場合、“外様(とざま)”であることは、逆にプラスになる。余計なプライドや競争意識がないので、開き直って社内外に居るそれぞれの分野のプロを素直にリスペクトできるからだ。

 大事なのは勝つことであって、どういう人材の使い方をするのかはリーダーの自由度の範疇だ。どの道、最終結果に責任を持たなければならないのは一緒なのだから。

 ちなみに英国海兵隊出身の将校たちは、部下が特別優秀かどうかにかかわらず権限移譲をするという。それは「本部の上官から事細かに指示するよりも、現場の部隊に任せた方が自軍が生き残れる確率が高い」からだそうだ。

 ではリーダーの仕事は何か?

 リーダーの仕事はさまざまあるが、リーダーがすべきこと、いや、リーダーでなければできないことは、「夢を語り」「夢を実現するための戦略・方針を決め」「それを簡潔な言葉で伝え」「次々と次の一手を考える」ことだろう。

 親からも先生からも先輩からも、「自分でできることは自分でしなさい」とよく言われた覚えがあるが、リーダーは「自分にしか出来ない仕事」に自分の時間を集中させるべきである。「リーダーの仕事=チームの課題-チームメンバーがやってくれる仕事」なので、なるべくメンバーに任せる分野を拡げ、自分の余裕(時間)を確保する。

 最悪なのは「自ら先頭に立ってメンバーと一緒に汗をかくことを目的化している」リーダーだ。そういうことが必要な局面もあるにはあるが、これが常態化して判断も意思決定もできなければリーダーとはいえない。

 きれいごとのように聞こえるかもしれないが、チームメンバーを団結させるのに最も有効なのは、権力を使ったアメとムチではなく、共感できるがのけぞってしまうくらいの壮大なゴールを大真面目にみなで見ることだと思う。私は今これを実践している。

 バーニーズ ジャパンのビジョンは「日本を格好よくする」だ。これは幹部で合宿しながら考えてみんなで握った。そして、大真面目にこれを目指して毎日働いている。ショッカーが、世界征服という壮大な夢のために、毎週コテンパンにやっつけられても懲りずに次々と悪事を働くのと同じだ。

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真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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