スイスフランの急騰で円にも影響が
為替・株式などの市場に与えるインパクト

 誰も予想だにしなかった突然のSNBの発表によって、一時スイスフランが対ユーロで大幅に上昇した。それと同時に、安全通貨と見られている円にも大きな影響が出た。

 ヘッジファンドや為替ディーラーの多くは、ドルの先高観が強かったこともあり、ドル買い(ドルロング)・円売り(円ショート)のポジションを持っていた。ところが、今回のスイスフラン急騰によって、そのポジションを手仕舞う動きが一斉に出た。

 為替市場では、買い持ちにしていたドルを売る一方、売り持ちにしていた円を買い戻す注文が為替市場に殺到し、それまで1ドル=120円レベルだったレートは、一時115円を切る水準まで円が急上昇することになった。

 そうした市場の混乱の中で、大手投資家の中には、今回の措置によって多額の損失を被った者もあるようだ。また、為替市場でこれだけ大きな価格変動が発生すると、多くの投資家は保有するリスク量を減らす=リスクオフに走ることになる。

 保有するポジションから損失が発生することを避けるために、価格変動性(ボラティリティ)の高い株式や為替などの金融資産を売却し、相対的にボラティリティの低い主要国の国債などの保有割合を高める。

 その結果、株式や為替などの市場が不安定化する一方、わが国や米国、ドイツなどの主要国の国債市場が活況を呈し、金利水準が低下し易くなる。今回、SNBの発表直後から起きた現象は、まさに投資家のリスクオフの動きだった。

 昨年末にかけて原油価格が急落したことに加えて、今回のスイスフランの急騰など、金融・商品市場での値動きが大きくなっている。

 そうした事情を考えると、当面多くの投資家のリスクに対する意識が高まり、何か予想外のイベントが発生した場合、リスクオフに走るタイミングが早くなることが想定される。それは、市場での価格変動性を一段と高まる懸念がある。