「実家の片づけ」の主役はあくまで親。
説得、強要は100%リバウンドの原因に
引き続き、よく言ってしまうフレーズです。
●私を困らせないで系NGワード
「荷物を残されて困るのは私なんだから」
「まったくお母さんったら、いつもこうなんだから」
「私の言うとおりにしてよ」
「前は片づけられたじゃない」
ここは、基本的な姿勢の問題とかかわってくるので詳しくご説明します。
実は、この仕事をやっていてよく受ける質問が、「親に片づけをさせるにはどうすればいいですか?」というものです。
これがいちばん大きな勘違いです。
ここから脱しない限り、実家は決して片づきません。そもそも実家はあくまで親の家。主人公は「親」です。「片づけを“させる”」と、強制している段階ですでにNG。
遺品整理やどうしても親不在で実家を片づけなければいけない状況でなければ、自分を主語にしてはいけません。大金をはたいて高価な収納家具を買っても、業者を頼んで「片づけさせて」も、親に強制している限りは、行きつく先はケンカであり、リバウンドなのです。
同様に、「片づけてあげる」という人もいます。これも主語が自分になっていますから、当然NG。2時間もしないうちに「片づけてやっているのに!」とケンカになるのが目に見えています。実家は物だけではなく、売り言葉に買い言葉に溢れています。「お母さんが頼んだわけじゃないでしょ」「じゃあもういいよ」──その結果、母娘断絶という事例も少なくないのです。