東洋思想を
生活に取り入れる

 東洋医学では、自然に逆らうことなく生きるのが最高の健康法とされます。自然界には、太陽と月があり、春夏秋冬という四季があります。この大自然の流れに沿って生活することで、体の気を整えることができるのです。

 そして、この東洋医学のもとになる東洋哲学では、物事すべては陰と陽からなるという「陰陽(いんよう)思想」が基本的な考え方です。天の陽気と地の陰気が交わり、その動きのなかで宇宙は万物を生み出します。自然界のあらゆる要素を含んで生じたのが生物であり、私たち人間なのです。したがって私たちの体もまた、自然界と同じ法則によって生まれ、活動していると考えるのです。

 人体は小自然(小宇宙)とも言われます。自然界の秩序はそのまま人体の秩序につながり、大自然と人体とは全体として統一された存在であり、その調和が乱れたときに病気になるのです。

 地軸の傾きで春夏秋冬が生まれ、人体にも生老病死が、物事にも起承転結が起こります。

 日本に住んでいる私たちにとっては、日本独特の季節の移り変わり、人と人の繋がり、しきたりなど、この地で生まれた生活様式を大切にすることが健康につながります。

 東洋医学の基本を知り、二十四節気ごとの生活様式や食材・漢方を学ぶことで、より健康で美しく暮らすことができるのです。