主幹事の交代が転機

 今からおよそ1年前、証券業界で大きな動きが起きた。gumiの主幹事を、野村證券が大和証券から奪い取ったのである。

 主幹事とは、上場を目指す企業と共に数年間上場準備を進め、IPO時に株式の募集や売り出しを中心的に行う証券会社のことだ。

 一度決まった主幹事を奪い取るのは並大抵ではない。しかもgumiは、いきなり東証1部上場を狙える時価総額1000億円規模の大型案件だった。それをひっくり返した野村の本気度に、VCも「これはもうかる案件」と次々と群がり、出資も相次いだ。

 しかし、現実はこの通り。結果として、IPO業界に冷や水を浴びせたのである。投資家も次のIPO案件への投資に及び腰となり、上場予備軍の株価算定に影響を及ぼし始めている。

 東証もこれまで以上に「下方修正」に敏感となっていることから、証券会社の締め付けも厳しくなろう。gumiショックはいち新興企業の問題で収まらない深刻な事態を招いている。

(週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)