お金が残ったとき何に使うかで
その後の経営が決まる

 このことは経営者だけでなく、社員として働く人にも共通します。

 以前、とても一所懸命に働く人がいました。給料も相応の額をもらっていました。しかし、給料日が来ると、給料を持って夜の町に出かけてしまい、1週間以内に飲食代ですべて使い切ってしまったのです。

 自分のお金でほしい物を買ったり使ったりするのは悪いことではありませんが、お金を趣味や遊びだけに使ってしまったらそれで終わりです。そのお金が増えることはありません。

 しかし、そのお金を自分のスキルアップのために使ったらどうでしょうか。そうする人には周りからよい仕事が与えられるようになります。やがて協力者も現れて当然よい成果がついてきます。そして必然的に給料も上がります。

 がんばって結果を出す人には、よい場とよい給料が与えられるのです。チャンスは誰にでも平等であり、結果はその人の不断の努力によって公平に与えられるのが農業の世界です。

 そのチャンスは、自分の仕事を通じていろいろなことに興味を持ち、勉強している人なら気がつくことができます。しかし、お金を無駄に使う人はそのチャンスには気づきません。だから、チャンスが訪れないのです。

 農業法人で働く場合でも、給料を自分の将来のために使う人と、一時の娯楽に使う人とでは、その後の人生にまったく違った結果がもたらされます。

 とくに経営者として独立する人なら、「入金されたお金は自分のものではない」という自覚を持つことです。

 本当に成功したかったら、「お金が残ったとき、何に使うかでその後の経営が決まる」ということを肝に銘じなければいけません。