辞任表明したブラッター氏にも捜査の手
ロシアとカタールでの開催中止というシナリオも

 先に紹介したFIFA元理事のチャック・ブレイザー氏が2013年にニューヨーク連邦地検に対して行った証言の内容が3日に公開され、ブレイザー氏は複数のFIFA理事と共に2010年大会の開催地決定に絡んで賄賂を受け取っていたと証言している。

 ブレイザー氏の証言によると、賄賂の受け取りは2004年頃から始まり、南アフリカ大会終了後の2011年まで続いたのだという。ブレイザー氏は日本が初出場を果たした1998年のフランス大会に関連した賄賂の受け取りも認めており、ワールドカップの開催国決定をめぐる賄賂の問題は今後さらに米司法当局などから厳しい追及を受けることが確実視されている。

 FBIは3日、2018年のロシア大会と2022年のカタール大会の開催地決定に関連した不正も捜査対象に入っていると発表。スイスだけではなく、アメリカの司法当局もこの一件に対してアクションを起こす構えを見せている。

 ロシアとカタールでの開催に関しては、これまでにも開催地決定前に不正行為が行われたという指摘や、それぞれの国における人権侵害が西側のメディアによって大きく報じられてきた経緯がある。カタールではスタジアムなどの建設が進められているが、作業員として建設現場で働く外国人労働者は劣悪な環境で働くことを強いられ、すでに1000人近くの作業員が死亡したという報道もある。

 FIFAのスキャンダルが今後どのような展開を見せるのかは不明だが、ロシアとカタールでのワールドカップ開催を中止すべきという声も日増しに強くなっているのは事実だ。ブラッター会長もFBIの捜査対象になっていることが判明した今、どんなスキャンダルが飛び出しても、もはや誰も驚かなくなってしまった。それほど、問題の根は深い。

(取材・文/ジャーナリスト 仲野博文)