3000人の赤ちゃんの脳が活性化した、
世界に1つだけの「クボタメソッド」
脳科学者の私と、妻の久保田カヨ子がともに築いてきた「クボタメソッド」とは、0歳から前頭前野を働くように促していく育児法です。
脳を育てることが大事だと主張する育児書はたくさんあります。
でも、赤ちゃんの成長過程を5つに分け、2人の息子(長男は一級建築士、次男は東大に合格)だけでなく、約20年で3000人以上の赤ちゃんに接してきた経験をもとに、具体的なイラストと最新の脳科学データで具体的にどうするかを説いた育児書は、私たちがつくったもの以外に存在しません。世界で唯一のものです。
生まれたときから、赤ちゃんが持っている「反射」を、自分でする運動や行動という「反応」に変えていかねばなりません。
運動をするときに働く全神経回路が解明されたのは2005年ごろです。
自分の意志で運動をするようにしむけ、前頭前野がよく働くようにすると、「実行機能」がうまく働くようになり、先ほどの「精神の成功~公共での安全性」などで実証されている効果が見られます。
これは可能な限り早く、できれば生まれた瞬間からはじめたほうがいいのです。
私たちは、生まれた直後から教育がはじまると考え、本書のタイトルを“赤ちゃん教育”としました。
運動ができるようにしていく過程で、特に大事なのは、ワーキングメモリー(作業記憶)の能力を高めることです。
その意味でも、「いない、いない、ばあ」は、非常に有効な遊びなのです。
生後4ヵ月ごろの赤ちゃんは、お母さんの顔が見えなくても、目の前にいることを0.3秒くらい記憶することができます。
この記憶は前頭前野に保存され、遊びを繰り返すことで記憶時間を長くすることができます。そうすると、前頭前野が大きくなり、よく働くようになります。
私は、1974年にサルの前頭前野の神経細胞の活動を記録して、ワーキングメモリーがどのようにつくられるか、メカニズムを明らかにしました。
A.ダイヤモンドは、1989年に、赤ちゃんにワーキングメモリーを使った課題(ピアジェの対象物の永続性テスト)をさせました。
すると、大人のアカゲザルに同じテストさせたらできたのに、「前頭前野を壊すとできなくなった」ということを報告し、ワーキングメモリー自体が、赤ちゃんの課題解決に重要なことを示しました。
その後、たくさんの脳科学者や心理学者がワーキングメモリーの研究をしてきました。いままでに研究論文が2万ほどあります。