育児書の名著として名高い『幼稚園では遅すぎる』著者で、ソニー創業者の井深大氏も絶賛した、久保田競+久保田カヨ子著『赤ちゃん教育』(1983年刊、その後絶版)。
あまりに貸出が多く本がボロボロになり、国立国会図書館からも消え、アマゾンマーケットプレイスでは、10,056円のプレミア価格がついた。
そんな“0歳からの伝説の育児バイブル”が、最新の脳科学データと190点近いイラストを一新して、完全リニューアルした。
脳科学の世界的権威である久保田競氏と『中居正広の金曜日のスマたちへ<金スマ>』などで話題になった久保田カヨ子氏だが、すべての原点は『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』にあるという。
83歳になったばかりの「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏に、「3歳以降グンと伸びる!ラクになる!強脳育児術」を聞いた。

お母さんは、教育者であり、
保護者であり、リーダー

「これ」さえやれば、<br />3歳以降グンと伸びる!ラクになる!<br />脳がぐんぐん発達する“強脳”育児術久保田カヨ子 1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。長男が一級建築士、次男が東京大学に合格。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”クボタメソッドを確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』など著書多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。

 育児という「仕事」は、現代の女性がたずさわっているどんな仕事よりも、すぐれて創造的(クリエイティブ)な仕事だと、私は考えています。

 私が『赤ちゃん教育』を書こうと思い立った動機も、じつはここにあります。

 男性にできて、女性にできない仕事はあまりありませんが、男性にできなくて、女性にしかできない仕事は、「子を産み、母乳を飲ませ、育てる」ことです。

 世の中の男性がどんなに工夫して、マネしようとしても「子を産み、母乳で育てる」ことはできない。それは女性にしかできない仕事なのです。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、ひとりでは生きていけません。保護者と教育の必要な、「白紙の状態」で生まれてきます。

 その子をどのように育てようと、お母さんの自由になるのです。

「どんな子に育てようか」とプランをねり、その目標に従って毎日努力していきます。

 もちろん、楽しいこともあれば、苦しいこともあります。

 しかし、赤ちゃんにとって、お母さんは、教育者であり、保護者であり、リーダーであるのです。

 これほど「自分の思いどおりに」できる仕事は、育児よりほかにありません。

 しかも、その仕事の結果は、よくても悪くても、毎日毎日、自分の目でたしかめられます。

 どんな聞きわけのない子でも、お母さんの努力しだいで、従順になってくれることが、育児をしているとよくわかります。

 これほど、「生きがいのある仕事」は、おそらく、男性がたずさわっている仕事のなかにもないでしょう。

 いまの時代、この点を、忘れている人が多いのではないでしょうか。