育児書の名著として名高い『幼稚園では遅すぎる』著者で、ソニー創業者の井深大氏も絶賛した、久保田競+久保田カヨ子著『赤ちゃん教育』(1983年刊、その後絶版)。
あまりに貸出が多く本がボロボロになり、国立国会図書館からも消え、アマゾンマーケットプレイスでは、10,056円のプレミア価格がついた。
そんな“0歳からの伝説の育児バイブル”が、最新の脳科学データと190点近いイラストを一新して、完全リニューアルした。
脳科学の世界的権威である久保田競氏と『中居正広の金曜日のスマたちへ<金スマ>』などで話題になった久保田カヨ子氏だが、すべての原点は『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』にあるという。
83歳になったばかりの「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏に、「3歳以降グンと伸びる!ラクになる!強脳育児術」を聞いた。
お母さんは、教育者であり、
保護者であり、リーダー
育児という「仕事」は、現代の女性がたずさわっているどんな仕事よりも、すぐれて創造的(クリエイティブ)な仕事だと、私は考えています。
私が『赤ちゃん教育』を書こうと思い立った動機も、じつはここにあります。
男性にできて、女性にできない仕事はあまりありませんが、男性にできなくて、女性にしかできない仕事は、「子を産み、母乳を飲ませ、育てる」ことです。
世の中の男性がどんなに工夫して、マネしようとしても「子を産み、母乳で育てる」ことはできない。それは女性にしかできない仕事なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ひとりでは生きていけません。保護者と教育の必要な、「白紙の状態」で生まれてきます。
その子をどのように育てようと、お母さんの自由になるのです。
「どんな子に育てようか」とプランをねり、その目標に従って毎日努力していきます。
もちろん、楽しいこともあれば、苦しいこともあります。
しかし、赤ちゃんにとって、お母さんは、教育者であり、保護者であり、リーダーであるのです。
これほど「自分の思いどおりに」できる仕事は、育児よりほかにありません。
しかも、その仕事の結果は、よくても悪くても、毎日毎日、自分の目でたしかめられます。
どんな聞きわけのない子でも、お母さんの努力しだいで、従順になってくれることが、育児をしているとよくわかります。
これほど、「生きがいのある仕事」は、おそらく、男性がたずさわっている仕事のなかにもないでしょう。
いまの時代、この点を、忘れている人が多いのではないでしょうか。