就職や転職、異動などで、環境変化による伸び悩みを感じがちなこの時期、プロゴルファー・横峯さくら選手のメンタルトレーナーである森川陽太郎さんに、「自己満足」と「自己肯定感」の違いについて聞いた。(まとめ/書籍オンライン編集部)

アメリカに拠点を移し、日々練習に励むプロゴルファー・横峯さくら選手と森川陽太郎氏
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「こんなはずじゃなかった」
そう思ったときこそOKラインを

 まったく新しい環境に身を置くのは、メンタルに大きな負担がかかるもの。期待感よりも不安感のほうが勝ってしまうというのも、誰にでもある心理状態です。

  上手に環境に慣れることができれば、不安も収まってくるのですが、なかには目標を見失って無気力になったり、心身の調子を崩したりしてしまう人も少なくありません。
  例えば、今まで成績トップだった営業マンが、扱う商品が変わったり、担当エリアが変わったりしたことがきっかけで結果を出せなくなる。これもよくあるケースでしょう。勝手がわからずにミスばかり、「自分はこんなに仕事ができなかったのか」という落ち込み。これ以上失敗したくない、ミスして恥をかきたくないという焦り。周りから「できないヤツだ」と思われたらどうしようという不安。
  こうした心理状態に追い込まれて、目標を見失って無気力になったり、心身の調子を崩したりしてしまう人も少なくありません。

  そんなときにこそ、「今の自分が確実にできること(自分にOKを出せるライン)を設定することで、自己肯定感を高めていく」というOKラインが効果を発揮します。

  例えば、新しい商品のスペックをすべて頭に叩き込む、新しい取引先の情報を徹底的に集める、小さくても何かひとつ結果を出す――。

 まずは「今の自分ができること」をひとつずつクリアしようと取り組む。それがOKラインの第一歩です。

  ただ、ここで気をつけなければいけないのが、「今できること」の設定方法です。