Photo by Yoshihisa Wada
野村證券、米ゴールドマン・サックス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に続く2025年のM&Aリーグテーブル4位が三井住友フィナンシャルグループだ。その投資銀行部門を率いるSMBC日興証券の山田宗弘専務は「課題はグローバルのケーパビリティにある」と現状を分析し、米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの提携深化を最優先事項に掲げる。さらにもう一つ、「顧客が強く望んでいる」と語る、不可避の強化ポイントとは何か。長期連載『金融インサイド』内の特集『インベストメントバンカー M&A請負人の正体』の#8で、上位3社の牙城を切り崩す反転攻勢の「切り札」を山田氏が明かした。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
米ジェフリーズ提携は「反転攻勢」の布石
世界水準のプラットフォームで勝負へ
――昨年、米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの提携を深化させると発表がありました。提携深化の狙いは何ですか。
ジェフリーズとの提携は2021年に始まりました。その背景には、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)としてグローバルに投資銀行業務を強化していかなければいけないという非常に重要な戦略があります。
一方、ジェフリーズは急成長している会社です。直近のグローバルリーグテーブルはバルジブラケット(欧米の有力投資銀行)のすぐ下の6位まできています。ただ、彼らがさらにその上を目指す上でキーとなるのが、バランスシート(BS)です。ジェフリーズは純粋な投資銀行ですから、なかなかBSが使えない。そこで両者の思惑が一致したのが、この話のスタートでした。
提携関係をさらに深め、日本株事業を統合してジョイントベンチャー(JV)をつくる。狙いは国内だけではありません。海外では、すでに「ジョイントカバレッジ」という形でお客さまのところに一緒にご提案に参らせていただいており、M&AやECM(エクイティ・キャピタル・マーケット:株式の引き受けなど)のビジネスで実績も上がっています。
ECM案件をグローバルで執行する際、当社はこれまでもお客さまへのリーチや販売は十分できていました。しかし、より深いリーチが必要だということは常々課題として感じていました。それは当社の差別化要因になるし、競争力をさらに上げることにもつながる。
ジェフリーズはグローバルに展開している投資銀行ですから、今回のJVを通じてわれわれがそのプラットフォームに乗ることができる。国内の非常に強い基盤に、ジェフリーズのグローバルなプラットフォームが加えられる。より深い海外投資家へのリーチが可能になる点が、今回の提携の一番のポイントです。
――要するにJVのイメージとしては、(三菱UFJフィナンシャル・グループと米モルガン・スタンレーの合弁会社である)三菱UFJモルガン・スタンレー証券みたいな形になるのでしょうか。
三菱UFJと米モルガン・スタンレーの連合に対し、三井住友はどのように挑もうとしているのか。27年1月に開業を控えるジェフリーズとのJVにおいて、山田氏が「ものすごくこだわって交渉した」と語る機関設計を明かす。さらに激化するバンカー争奪戦の中で、山田氏が「若手の流出は半分は致し方ない」としながらも、あえて採用枠を広げない真意とは。次ページでその勝算に迫る。







